2014年9月25日木曜日

野生のままであるために

昨晩、山ふるからの帰り道の事、
車の通行もなくなった奥多摩周遊道路をのんびり走っていると、
とあるカーブを曲がった先に動く影を発見。

近付いていっても、その影は動かず、
ヘッドライトに照らしだされたのは・・・


タヌキでした。
大きさからすると今年生まれの子供のようです。
車でゆっくり近付いても全く逃げる気配はなく、
道路の真ん中の地面を気にしていたかと思うと、
あろうことかその場にしゃがみこんでしまいました。

始めは怪我をしているのかなと思ったのですが、
路肩に停まって観察していると、口をもぐもぐ動かしています。
どうやら道路に落ちている何かを食べているようです。
後で確認した所、車に轢かれて割れたクルミでした。


食べ終わって満足すると、慌てる様子もなく、
道路を横切って森へ帰っていきました。

タヌキがいた上には、クルミの木が枝を伸ばしていたので、
たまたま道路の真ん中に落ちた実が割れていたのでしょう。

子供だったこのタヌキは、道路に初めて出てきたのかもしれません。
車の怖さや人に対する警戒心を持っておらず、食べ物に夢中になってしまいました。
こうしたちょっと世間知らずな動物達を守るためにも、
どうか奥多摩では(でも)安全運転でお願いします。

また、夏の終わり頃から、独り立ちを始めたとみられる
若いタヌキやキツネ、イノシシが山のふるさと村内外でよく目撃されています。
夏休みはキャンプ場で毎日美味しそうな匂いがしていたので、
惹き寄せられて来たのかもしれません。
親と離れて間もない彼らは、
先のタヌキと同じようにまだまだ人の生活圏との距離感をつかめずにいます。
また、集団で行動するサルなんかは、
「俺らもたくさんいるから、ちょっとくらいなら人の近くにいっても大丈夫。」
と思っていたりもします。

彼ら野生動物たちが人や人の利用する場所に慣れてしまう事は、
事故に遭ったり、森での暮らしに適応出来なくなったりと、
不幸な結果を招いてしまいます。

人間と動物がお互いの生活場所でしっかり住み分け出来るよう、
・動物には絶対に食べ物を与えない。
・食材、生ごみ、食べ物の包み紙などを野外で放置しない。
・動物が自分から近付いて来るような事があれば、愛情を持って毅然と追い払う。
といった事にどうかご協力をお願い致します。


(さかでぃ)